アレルギー診療
当クリニックでは、アレルギー学会認定専門医の施設としてアレルギー性鼻炎や花粉症の診療に特に力を入れております。一般的な薬物治療のほかアレルゲン免疫療法やレーザー治療など、患者さんの状態にあわせた専門性の高い診療が可能です。
レーザー治療
花粉症・アレルギー性鼻炎に対し、ご希望に応じてレーザー治療を行っています。 アレルギー性鼻炎の反応を抑えるために鼻粘膜表面にレーザーを照射します。 外科的手術とは違い全身麻酔や出血のリスクを伴わず日帰りで処置ができ、治療時間も15分程度と短く済みます。 くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善を目的とした治療です。 鼻粘膜の表面麻酔を施しますので、痛み、出血はほとんどありません。 レーザー治療による症状の改善度には個人差があり一般的に約70-80%といわれています。 スギ花粉症の場合、シーズン前に治療を行うとその季節、あるいはその後1年~2年は効果が持続します。 レーザー治療を行っても花粉飛散の多い年はシーズン中には薬剤が必要になることもありますので詳しくは当院でご相談ください。 レーザー治療には健康保険が適用されます。
アレルゲン免疫療法
アレルギー性鼻炎・花粉症は、アレルゲン(または抗原)と呼ばれる原因物質(ダニ、スギ花粉など)によって引き起こされます。アレルゲン免疫療法とはアレルゲンの投与をくり返し行うことにより、体をアレルゲンに慣らし症状を和らげる治療法です。根本的な体質改善(長期寛解、治癒)が期待されます。アレルゲンの投与部位によって舌下免疫療法と皮下免疫療法があります。
舌下免疫療法
治療のながれ
舌下免疫療法の具体的な方法としては、まず問診と血液検査で、その患者さんのアレルギーの原因(アレルゲン)を確かめます。治療は1日1回舌下(口腔粘膜)に薬剤(舌下錠)を投与します。投与後は1分間舌下に保持し、薬剤が溶けたのち飲み込みます。投与する薬剤(アレルゲン)は徐々に増量します。初回投与また増量時の投与は院内で実施し、約30分間、医師の監視下で待機し、副作用が起きた際すぐに対処できるようにします。翌日からは、自宅で患者さん自身が投与し毎日継続します。治療期間は2年以上、3~5年が推奨されます。
有効性について
70~80パーセントの方に有効性が認められています。従来の飲み薬や点鼻薬、点眼薬はあくまで一時的に症状を抑えるだけで、根本的な治療ではありません。根本的な体質改善(長期寛解、治癒)を望む患者さんには積極的にお薦めしています。
安全性について
副作用としては投与部位である口腔内の腫れ、かゆみが最も多くみられます。投与後30分以内、治療開始初期の1か月間は特に注意が必要です。これらは投与後数時間で自然に回復することが多いのです。また極めてまれに全身の発赤、喘鳴、ショック症状などが起こる可能性あります。このような症状が発現した際は、直ちに医療機関を受診する必要があります。
舌下免疫療法については以下のサイトでも詳しく説明されています。
鳥居薬品の舌下免疫療法の専門サイトhttp://www.torii-alg.jp/
皮下免疫療法
治療のながれ
皮下免疫療法の具体的な方法としては、まず血液検査や皮内テストで、その患者さんのアレルギーの原因(アレルゲン)を確かめます。そのうえで、薄く希釈したアレルゲン治療エキス(製剤)を少量から注射していきます。はじめは週1回、少しずつ量を多く、濃度を高くしていき、適当な濃度になったら間隔を開け、2週に1回から最終的には月1回にして、その濃度(維持量)を続けていきます。効果がでるまでに約3ヶ月程度かかります。効果を維持するために最低2年、できれば3年以上月1回の注射を続けます。
有効性について
治療効果はダニ、スギ花粉で80パーセント以上の有効性が認められています。また3年以上治療を続けられた患者さん(有効例)では治療終了後4-5年経過した時点での追跡調査で80-90パーセントの治療効果の持続が認められています。
安全性について
副作用としては注射部位の腫れが最も多く、そのほか全身の発赤、ショック症状、喘鳴などがごくまれに起こることがあります。ただしこれらの副作用は注射後30分以内に起こるため病院での適切な処置により、回復するものです。当院では治療開始以来約10年間、重篤な副作用は起こっていません。
※スギ花粉症は遅くとも11月上旬までには治療を開始しないと花粉飛散シーズンに間に合いませんのでご注意ください。
その他、詳しくは当院でご相談ください
舌下免疫療法と皮下免疫療法の比較
舌下免疫療法 | 皮下免疫療法 | |
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投与方法 | 舌下に投与 (痛みなし) | 上腕皮下に注射 (痛みあり) |
投与場所 | 自宅 | 医療機関 |
投与頻度 | 1日1回(毎日継続) | はじめ週1回、その後月1回 |
投与期間 | 3年以上 | 3年以上 |
副作用 | 口腔内の腫れ、かゆみ (まれに全身発赤、喘息様症状、アナフィラキシー) |
注射部位の腫れ、かゆみ (まれに全身発赤、喘息様症状、アナフィラキシー) |
治療効果 | 皮下とほぼ同等 | 舌下と同等かそれ以上 |
費用 (3割負担の場合、治療開始時の検査などは除く) |
月額 約2600円 (スギ) 月額 約3600円 (ダニ) |
月額 数百円 (スギ、ダニ併用でも1000円程度) |